水を得た魚

八丈島でのある日のこと、友人の漁師さんがサンセットクルーズに誘ってくれました。

夕日を目掛けて沖の方にぐんぐん進んでいって、海と太陽と私たちが乗っている船以外に周りには何も見えなくなっていきます。

私は船の先端に腰掛け、足をぶらんと進行方向に投げ出しました。
海を見下ろすと、オレンジ色の光が波の模様をくっきりと映し出す。一瞬一瞬の連続のその情景があまりにも美しく、瞬きでシャッターを切るように、何とかその景色を目に焼き付けました。

その時、かなりのスピードで進んでいく船に並走するように、トビウオの群れがやってきたのです。

何十メートルという長い距離をビューン、ビューンと飛んでいく。

大きく広げたトビウオのヒレが、夕日に照らされてキラキラ輝いています。

まさに水を得た魚!

何とかこの景色を描きたくて、波と魚が交わるような流れるようなデザインにしました。

「水を得た魚のように、毎日いきいきと過ごそう!」

という想いが込められています。

それぞれの、その時々の水を探しながら、目を輝かせながら生きていきたいですね。

飛び跳ねて進もう、その先へ。